現在放送中の大河ドラマ 鎌倉殿の13人も好調の脚本家・三谷幸喜。監督としても映画や舞台、ドラマなど数多くのヒット作を世に送り出しており、その笑って泣けるストーリーが世代を問わず多くのファンから愛されています。日本人なら、三谷幸喜 映画を1度は見たことがあるのではないでしょうか。
今回は、日本アカデミー賞で数々の賞を受賞した、異色の法廷サスペンスコメディ『ステキな金縛り』の作品情報やネタバレありのあらすじ、レビューをご紹介します!
『ステキな金縛り』作品情報
まずは、『ステキな金縛り』の作品情報をご紹介します。
公開日
2011年10月29日
キャスト
宝生エミ役/深津絵里
更科六兵衛役/西田敏行
速水悠役/阿部寛
矢部鈴子・日野風子役/竹内結子
木戸健一役/浅野忠信
宝生輝夫役/草彅剛
小佐野徹役/中井貴一
伊勢谷役/梶原善
『ステキな金縛り』ストーリー(※ネタバレあり)
三流弁護士の宝生エミは、弁護士事務所から最後のチャンスとして殺人事件を担当します。その事件とは、美術品バイヤー・矢部鈴子が転落死し、夫の矢部五郎が犯人ではないかと逮捕されたというもの。五郎は、犯行時間に金縛りにあっていたため、アリバイがあると主張します。アリバイを立証するため、金縛りをしていた落ち武者の幽霊・更科六兵衛を法廷に連れてきます。しかし、六兵衛は全ての人が姿を見られるわけではないため、姿が見えない幽霊を証人にしても誰も信じてくれません。そこでエミは、六兵衛が見える条件は、
- 最近良いことがない
- 死を身近に感じる体験をしている
- シナモンが好き
という共通点を見つけ出します。そして、被害者・鈴子の霊を呼び出し、証言してもらうよう六兵衛に頼んだエミ。しかし、六兵衛は死後の世界で鈴子を探しますが見つかりませんでした。
ここで、エミは鈴子が見つからないのは、鈴子ではなく風子が死んだのだとひらめきます。事実、鈴子は風子を殺害。風子を装い、鈴子が殺されたように見せかけました。そして鈴子殺害を五郎の犯行に仕立て上げたのです。その事を立証するため、エミは風子の格好をした鈴子に大量のシナモンをかけます。すると、風子の幽霊が現れました。エミは、風子に犯人は誰か問うと、鈴子を指さします。被害者の証言により、鈴子の正体が明かされます。こうして被告人・五郎は無罪になりました。
裁判が終わった夜の法廷で、六兵衛は亡くなったエミの父を連れてきました。しかし、仕事がうまくいったエミは、①の条件が当てはまらず幽霊を見ることができなくなっていました。姿が見えないことを悟った父は、ハーモニカで思い出の曲『アルプス一万尺』を演奏、エミは父が側にいることに気づくのでした…。
『ステキな金縛り』レビュー
法廷サスペンスとファンタジーという異色の要素を掛け合わせた長編コメディ『ステキな金縛り』のレビューをいたします。
心温まるストーリー
あらすじからもわかる通り、幽霊を証人にする一見めちゃくちゃなストーリーなのですが、観客を映画の世界観に引き込まれてしまいます。さすが、三谷幸喜監督です。最初から最後まで内容盛りだくさんで、観客を飽きさせません。
特に印象的だったシーンは、亡くなった父親とエミが再開するシーンです。幽霊が見えなくなったエミと父親が思い出の曲に浸り、存在に気づくところは、思わずホロリときてしまいます。また、エンドロールにエミのその後の人生に六兵衛が写りこんでいる心霊写真で映し出されます。エミは法律事務所を設立し、公私ともに幸せな生活を送っていることがわかりほっこりしました。
個性的なキャラクター
個性的なキャラクターを豪華俳優陣で演じています。三谷幸喜監督作品といえば、同じ俳優が出演していることが多いですよね。今作も、西田敏行さんや梶原善など常連俳優が数多く出演されています。
西田敏行さん演じる更科六兵衛がとてもはまり役で、かわいらしい六兵衛にとても癒されます。大河ドラマ 鎌倉殿の13人でも、西田敏行さん演じる法王が頼朝の枕元に立って金縛りをかけると演出があり、『ステキな金縛り』のパロディだと話題になっていますよね。
また、深津絵里さん演じる、エミを六兵衛が励ますシーン。こちらも自分が励まされた気持ちになり、ジーンときます。西田さんと深津さんお二人の掛け合いも最高で、お二人の存在がすごく引き立っていました。
まとめ
今回は、『ステキな金縛り』のキャストなど作品情報やあらすじ・レビューをご紹介いたしました。三谷幸喜 映画『ステキな金縛り』は、法廷サスペンスとファンタジー要素を掛け合わせた、長編コメディです。お一人でも、友人やご家族と一緒に観ても楽しめるストーリーになっています。まだ観たことがない方も、既に観た方もこの機会に『ステキな金縛り』を鑑賞してみるのはいかがでしょうか?